長引く咳や息切れを感じた時、多くの人がまず最初に足を運ぶのは、身近な「総合内科」や「一般内科」のクリニックかもしれません。専門の呼吸器内科やアレルギー科が近くになかったり、どこを受診すれば良いか分からなかったりする場合、かかりつけの内科医に相談するのは、ごく自然な流れです。では、これらの内科で喘息の診療は可能なのでしょうか。結論から言えば、軽症の喘息や、診断が比較的容易な典型的なケースであれば、多くの内科医が初期対応や継続的な治療を行うことが可能です。内科医は、プライマリ・ケア(初期医療)の専門家として、幅広い疾患に関する知識を持っています。問診や聴診で喘息が疑われれば、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬を処方し、症状の改善を図ります。喘息の治療ガイドラインも広く普及しており、多くの内科医がそれに沿った標準的な治療を提供してくれます。かかりつけ医であれば、あなたの既往歴やアレルギー歴、生活背景などを把握しているため、総合的な観点から診療を進めてくれるというメリットもあります。しかし、内科での治療には限界があることも理解しておく必要があります。例えば、症状が重症であったり、様々な治療薬を試しても症状が十分にコントロールできなかったりする「難治性喘息」の場合や、喘息と他の呼吸器疾患との鑑別が難しい複雑なケースでは、より専門的な知識と経験、そして高度な検査機器が必要となります。呼吸機能検査の詳細な解析や、喀痰中の好酸球測定、呼気NO(一酸化窒素)濃度測定といった専門的な検査は、呼吸器内科やアレルギー科でなければ実施できないことがほとんどです。したがって、かかりつけの内科で治療を受けていても、「症状がなかなか改善しない」「発作を繰り返してしまう」「より専門的な検査を受けて原因を詳しく知りたい」と感じた場合は、遠慮なく専門医への紹介状を書いてもらうようにお願いしましょう。かかりつけの内科医は、専門医療へのゲートキーパー(門番)としての重要な役割も担っています。まずは身近な内科で相談し、必要に応じて専門医へと繋げてもらう。これもまた、喘息という病気と上手く付き合っていくための、賢い医療機関のかかり方の一つなのです。
総合内科や一般内科で喘息は診てもらえるか