関節リウマチという病名は、患者さんに身体的な痛みだけでなく、「これからどうなってしまうのだろう」という将来への不安や、「高額な治療費を払い続けられるだろうか」という経済的な不安といった、大きな精神的ストレスをもたらします。この経済的な不安は、時に治療へのモチベーションを低下させ、医師に勧められた最善の治療法をためらってしまう原因にもなりかねません。しかし、その不安を一人で抱え込む必要は全くありません。むしろ、積極的に専門家に相談することこそが、不安を解消し、安心して治療に専念するための第一歩なのです。まず、最初に相談すべき相手は、あなたの主治医です。現在のあなたの病状や活動性、将来の関節破壊のリスクなどを総合的に判断し、最適な治療法を提案してくれるのが主治医です。その際に、「この治療法を選んだ場合、費用は月々どのくらいかかりますか?」と率直に尋ねてみましょう。医師は、薬剤費のおおよその目安や、利用できる公的制度について説明してくれます。もし、提示された費用があなたの経済状況にとって大きな負担であると感じたならば、それも正直に伝えるべきです。リウマチの治療薬には様々な選択肢があります。費用面も考慮した上で、あなたにとって最も納得のいく治療法を、主治医と一緒になって探していくことが大切です。次に、ぜひ活用してほしいのが、病院内に設置されている「医療相談室」や「患者支援センター」といった窓口です。ここには、医療ソーシャルワーカーなどの専門の相談員が在籍しており、医療費に関する様々な公的制度について、より詳しく、そして個々の状況に合わせてアドバイスをしてくれます。高額療養費制度や身体障害者手帳、障害年金といった制度の具体的な内容や申請方法など、複雑で分かりにくい手続きについても、親身になってサポートしてくれます。また、同じ病気を抱える患者さん同士で情報を交換できる「患者会」に参加することも、有効な手段の一つです。そこでは、他の患者さんがどのように治療費のやりくりをしているか、どのような制度を活用しているかといった、リアルで実践的な情報を得ることができます。何よりも、同じ悩みを持つ仲間と繋がることで、精神的な孤立感から解放されるという大きなメリットがあります。経済的な不安は、決して恥ずかしいことではありません。それは、病気と向き合う上で誰もが直面する現実的な問題です。
治療費の不安を抱えないために、主治医や相談窓口と話そう