季節の変わり目や夜中、明け方になると、咳が止まらなくなったり、息をすると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたりする。少し動いただけでも息が切れてしまう。このような症状に心当たりがある場合、それは単なる風邪ではなく「気管支喘息」のサインかもしれません。いざ、このつらい症状を何とかしたいと病院へ行こうと思っても、多くの人が「一体、何科を受診すれば良いのだろう」という疑問に直面します。喘息の診療を専門とする診療科は、主に「呼吸器内科」と「アレルギー科」です。どちらの科でも喘息の診断と治療は可能ですが、それぞれの科に少しずつ特徴があります。まず「呼吸器内科」は、その名の通り、気管や気管支、肺といった呼吸器全般の病気を専門とするエキスパートです。喘息はもちろんのこと、咳や息切れの原因となる他の病気、例えばCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や間質性肺炎、肺がんなどとの鑑別診断に長けています。特に、喫煙歴のある方や、中高年になってから初めて喘息のような症状が出てきた方は、他の呼吸器疾患の可能性も視野に入れて総合的に診てくれる呼吸器内科を受診するのがより安心です。一方で「アレルギー科」は、アレルギー反応によって引き起こされる様々な病気を専門とします。喘息の多くは、ホコリやダニ、花粉といったアレルゲンが引き金となって気道の炎症が起こるアレルギー性の疾患です。アレルギー科では、血液検査や皮膚テストなどでアレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定し、そのアレルゲンを避けるための生活指導も含めた、より根本的なアプローチを得意としています。喘息以外にもアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などを合併している方は、アレルギー科でトータルに診てもらうのが良いでしょう。結論として、どちらの科を受診しても専門的な治療は受けられます。まずは通いやすい方、あるいはかかりつけ医からの紹介がある方を選ぶと良いでしょう。大切なのは、自己判断で放置せず、専門医の診断を仰ぐことです。
長引く咳や息苦しさ、喘息は何科へ?