子供が何日も排便がなく、お腹が張って苦しそうにしている。いきんでも硬い便が少ししか出ず、時には泣き出してしまう。そんな我が子の姿を見るのは、親として非常につらいものです。大人の便秘とは異なり、子供の便秘には特有の原因や配慮すべき点が多く、どの診療科に連れて行くべきか迷う方も多いでしょう。このような時、ためらわずに選ぶべきは「小児科」です。子供の便秘の相談先として、小児科が最もふさわしい理由はいくつかあります。第一に、小児科医は「成長、発達の途上にある子供の体の特性を熟知している」専門家だからです。大人の消化管は完成されていますが、乳幼児の消化機能はまだ未熟です。また、排便という行為には、便意を感じ、いきんで肛門を緩めるという複雑な神経の連携が必要ですが、この機能も年齢と共に発達していきます。小児科医は、こうした子供の発達段階を理解した上で、その年齢に合った原因を探り、適切な診断を下すことができます。第二に、「薬の処方」における専門性です。子供の体はデリケートであり、大人と同じ薬を使うことはできません。小児科医は、子供の年齢や体重を正確に計算し、最も安全で効果的な薬を、適切な用量で処方する知識と経験を持っています。便秘薬にも様々な種類がありますが、子供に使用できるものは限られており、その選択と調整には専門的な判断が不可欠です。第三の理由は、「心理的な側面への配慮」です。子供の便秘の原因には、身体的な問題だけでなく、精神的な問題が深く関わっていることが少なくありません。例えば、トイレトレーニングの際に強く叱られた経験から、排便自体に恐怖心を抱いてしまったり、小学校に入学して、学校のトイレでは恥ずかしくて排便を我慢してしまったりすることが、慢性的な便秘の引き金になるケースは非常に多いのです。小児科医は、こうした子供の心の動きにも目を向け、親子関係や生活環境も含めた上で、総合的なアドバイスをしてくれます。子供の便秘は、単に薬で出すだけでは解決しません。体と心、そして生活習慣全体をトータルでケアしていく視点が必要であり、それら全てを網羅できるのが、子供の総合医である小児科なのです。
お子様の便秘はまず小児科を訪ねて