いびきと眠気は危険なサインかも
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。この病気が厄介なのは、睡眠中に起こるため、ご本人が症状を自覚しにくいという点にあります。しかし、体は確実に悲鳴を上げており、様々なサインとなって現れます。最も代表的な症状は、なんといっても「大きないびき」と「日中の強い眠気」です。いびきは、空気の通り道である上気道が狭くなることで発生する音ですが、無呼吸症候群のいびきには特徴があります。ただ大きいだけでなく、途中で音がパタッと止まり、しばらく静かになったかと思うと、あえぐような激しい呼吸と共に再び轟音のいびきをかく、というパターンを繰り返すのです。この静寂の時間が、まさに呼吸が止まっている瞬間です。本人は眠っているため気づきませんが、隣で寝ている家族やパートナーは、その異様な光景に不安を覚えることでしょう。そしてもう一つの代表的な症状が、日中に襲ってくる耐えがたいほどの眠気です。夜間に何度も呼吸が止まることで、体は低酸素状態に陥り、脳や体は十分に休息することができません。その結果、睡眠時間は足りているはずなのに、日中の活動中に強烈な眠気に襲われます。会議中や運転中といった、本来であれば緊張感を保つべき場面でさえ居眠りをしてしまうこともあり、社会生活に大きな支障をきたすだけでなく、重大な事故を引き起こす危険性もはらんでいます。大きないびき、睡眠中の呼吸停止、そして日中の異常な眠気。これらは、睡眠時無呼吸症候群が発している最も分かりやすい警告信号です。もし、ご自身やご家族にこれらの症状が見られる場合は、決して軽視せず、専門の医療機関に相談することが重要です。