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2025年10月
  • 足のむくみで病院へ!最初に何科へ行くべきか

    医療

    夕方になると靴がきつくなる、靴下の跡がくっきりと残る。そんな「足のむくみ」は、多くの人が経験するありふれた症状です。しかし、その背後には、単なる疲れや生活習慣だけでなく、治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。いざ、この悩みを病院で相談しようと思っても、「一体、何科へ行けば良いのだろう?」と、受診先に迷ってしまう方は少なくありません。足のむくみという症状に対して、まず最初に受診を検討すべき診療科は、「循環器内科」あるいは「一般内科」です。その理由は、足のむくみの原因として、心臓や腎臓、肝臓といった、全身の水分バランスを司る重要な臓器の機能低下が考えられるからです。例えば、心臓のポンプ機能が弱まる心不全では、全身の血流が滞り、特に重力の影響を受けやすい足に水分が溜まりやすくなります。循環器内科は、心臓と血管の専門家であり、心電図や心臓超音波(エコー)検査などを通じて、心臓の状態を詳しく評価してくれます。また、腎臓の機能が低下して、余分な水分や塩分を体外に排出できなくなる腎不全や、肝臓の病気で血液中のたんぱく質が減少し、血管内に水分を保持できなくなることでも、むくみは生じます。これらの全身性の病気を広くスクリーニングしてくれるのが、内科の役割です。まずはかかりつけの内科医に相談し、血液検査や尿検査を受けることで、重大な内臓疾患がないかを確認することが、安心への第一歩となります。もし、診察の結果、より専門的な原因が疑われれば、そこから腎臓内科や、血管外科、あるいは婦人科といった、適切な専門診療科へスムーズに紹介してもらえます。自己判断でマッサージやサプリメントに頼る前に、まずは医療の入り口である内科を受診し、むくみの本当の原因を探ることが、根本的な解決への最も確実な近道となるのです。