高熱と、手足や口の中に現れる痛みを伴う水ぶくれ。大人が手足口病を疑う症状に見舞われた時、多くの人が「このつらい症状は、一体何科で診てもらえばいいのだろう?」と迷うことでしょう。症状が皮膚、口、そして全身に及ぶため、診療科選びは一見難しく感じられます。結論から言うと、大人の手足口病は、いくつかの診療科で対応が可能ですが、ご自身の最もつらい症状に合わせて選ぶのが良いでしょう。まず、発熱や喉の痛み、全身の倦怠感といった、風邪に似た全身症状が強い場合は、「内科」を受診するのが最も一般的です。内科医は、全身の状態を総合的に診察し、症状が本当に手足口病によるものなのか、あるいは他の感染症(インフルエンザやヘルパンギーナなど)ではないのかを鑑別してくれます。特効薬はないため、治療は解熱鎮痛剤や、口内炎に対する塗り薬の処方といった対症療法が中心となりますが、まずは正確な診断を受けるための窓口として適しています。次に、手のひらや足の裏の発疹、水ぶくれといった、皮膚症状が特にひどい、あるいは痛みが強い場合は、「皮膚科」を受診するのも良い選択です。皮膚科医は、発疹の状態を専門的に診断し、それが手足口病に典型的なものか、あるいは帯状疱疹など、他の皮膚疾患ではないかを見極めてくれます。痛みやかゆみを和らげるための適切な塗り薬を処方してもらえるでしょう。また、口の中にできた水ぶくれや口内炎が非常に痛く、食事が全く摂れないほどつらい場合は、「耳鼻咽喉科」も専門的な診療科です。耳鼻咽喉科では、喉の奥まで詳しく診察し、炎症を抑えるための薬を直接塗布したり、痛みを和らげるためのうがい薬やスプレーなどを処方してくれたりします。どの科を受診すればよいか迷った場合は、まずはかかりつけの内科医に相談するか、最もつらい症状を扱っている専門科(皮膚症状なら皮膚科、口の症状なら耳鼻咽喉科)を選ぶと良いでしょう。そして、医療機関を受診する際は、周囲への感染を防ぐため、事前に電話で症状を伝え、マスクを着用していくなどの配慮を忘れないようにしましょう。
大人の手足口病、何科へ行けばいい?適切な診療科