つらい足のむくみは、病気が原因である場合もありますが、その多くは日々の生活習慣の中に原因が潜んでいます。病院での治療と並行して、あるいは、病気ではない軽度のむくみの場合、日常生活の中にちょっとした工夫を取り入れるだけで、症状は大きく改善することがあります。今日から始められる、むくみ解消のためのセルフケアのヒントをご紹介します。まず、最も重要なのが「塩分を控える」ことです。塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体は塩分濃度を薄めようとして、水分を溜め込もうとします。これが、むくみの直接的な原因となります。加工食品やインスタント食品、外食は塩分が多くなりがちなので、注意が必要です。出汁の旨味や、香辛料、香味野菜などを上手に活用し、薄味でも美味しく食べられる工夫をしましょう。次に、「同じ姿勢を続けない」ことです。デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢でいると、重力の影響で足の血行が悪くなり、水分が溜まりやすくなります。一時間に一度は立ち上がって少し歩いたり、足首を回したり、かかとの上げ下ろしをしたりと、こまめにふくらはぎの筋肉を動かすことを意識しましょう。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、その筋肉のポンプ作用が、足の血液を心臓に送り返す重要な役割を担っています。また、「体を冷やさない」ことも大切です。体が冷えると血行が悪くなり、むくみに繋がります。夏場でも、冷房の効いた室内では靴下やひざ掛けを利用したり、シャワーで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かって体を芯から温めたりすることを習慣にしましょう。夜、寝る時には、「足を少し高くして寝る」のも効果的です。クッションや座布団を足の下に置き、足を心臓より少し高い位置にすることで、足に溜まった水分が心臓に戻りやすくなり、翌朝のむくみが軽減されます。そして、むくみ解消に役立つ栄養素を意識して摂ることも有効です。余分な塩分を排出してくれる「カリウム」が豊富な、バナナやアボカド、ほうれん草、海藻類などを食事に取り入れましょう。これらの小さな習慣の積み重ねが、あなたのつらい足のむくみを、根本から改善する力となってくれるはずです。