中学二年生の夏、僕は自分の体に起きたある異変に戸惑っていました。右側の胸の乳首のあたりが、服が擦れるだけでピリピリと痛み、触ってみると中に十円玉くらいの硬いしこりができていたのです。最初はどこかでぶつけたのだろうと思って放っておきましたが、一週間経っても痛みは引かず、むしろ指で押すと芯があるような独特の痛みを感じるようになりました。鏡の前で自分の胸を見ると、心なしか右側だけが少し膨らんでいるようにも見え、僕は「男なのに胸が大きくなって、変な病気になったのではないか」と恐怖でいっぱいになりました。学校の体育の時間に着替えるのも恥ずかしく、友達に気づかれるのが怖くて、夏なのに厚手のシャツを着て隠すようになりました。誰にも相談できず、夜に布団の中でこっそりスマートフォンを使って検索すると、自分と同じような症状に悩む中学生がたくさんいることを知りました。それは思春期女性化乳房症という、成長期の一時的なホルモンの乱れによるものだということでした。それを知って少し安心しましたが、やはり実際にしこりが消えるまでは不安でした。結局、勇気を出して母親に打ち明けると、母は驚きもせず「成長痛みたいなものよ」と言って、念のために近所の外科へ連れて行ってくれました。病院の先生は優しく僕の胸を触り、「これは成長の証だよ。体が大人になろうとしてホルモンが頑張っている最中なんだ」と説明してくれました。薬を飲む必要もなく、半年から一年くらいすれば自然に消えると言われ、その言葉通り、冬が過ぎる頃にはあんなに痛かったしこりは跡形もなく消えていました。今振り返れば、あれは僕の体が大人へと階段を上るための一つのプロセスだったのだと分かりますが、当時は本当に深刻な悩みでした。もし今、同じように自分の胸のしこりや痛みに怯えている男の子がいるなら、それは君の体が壊れたわけではなく、一生懸命成長しているサインなんだと伝えてあげたいです。一人で悩まずに、信頼できる大人に話してみることが、心のしこりを解く一番の方法だと思います。
思春期の僕を悩ませた胸のしこりと痛みについての記録