今の私があるのは、奇跡的に命を繋ぎ止めることができたからですが、もし時計の針を五年前、あの健康診断の結果を受け取った日に戻せるなら、私は自分自身の胸ぐらを掴んででも病院へ行かせるでしょう。当時の私は四十代前半で、仕事は責任ある立場にあり、毎日が充実していました。健診の結果は「要精密検査」の判定。血圧と肝機能の数値が基準を大きく上回っていました。しかし、当時の私はどこも痛くないし、お酒も美味しく飲めているのだから大丈夫だと、根拠のない自信を持っていました。それから五年の月日が流れ、ある日の会議中、突然激しい頭痛と吐き気に襲われ、そのまま意識を失いました。救急車で運ばれた先で下された診断は、高血圧による脳出血でした。三ヶ月に及ぶ入院と、右半身に残った麻痺。リハビリを繰り返す日々の中で、私は何度「あの時、再検査を受けていれば」と自分を責めたか分かりません。再検査の通知は、崖っぷちに立っている私に、体が送ってくれた最後通告だったのです。それを「忙しい」という安易な言葉で無視した代償は、あまりにも大きなものでした。仕事は退職を余儀なくされ、趣味だった登山もできなくなり、家族には多大なる心配と介護の負担をかけることになりました。健康診断の再検査を後回しにする心理には、病気だと診断されることへの恐怖もあるかもしれません。しかし、本当に恐ろしいのは病気そのものではなく、その病気を治療するチャンスを自ら捨て去ることです。もしあの時、病院へ行って生活習慣を見直していれば、私の人生は今も変わらず続いていたはずです。現在の私は、定期的な通院と投薬を欠かさず、不自由な体と付き合いながら生きています。街中で健康診断の案内を見かけるたびに、当時の自分の愚かさを思い出し、胸が締め付けられます。健康は失って初めてその価値に気づくものですが、それでは遅すぎるのです。再検査の通知は、決してあなたを怖がらせるためのものではありません。あなたがこれからも、あなたらしく生き続けるためのパスポートなのです。もし今、手元に「要再検査」の結果表を持っている方がいるなら、どうか私のようにならないでください。どんなに忙しくても、どんなに自分が健康だと信じていても、医学的な数値は嘘をつきません。一日の休みを取って病院へ行く手間と、私のように一生を棒に振るリスクを秤にかけてみてください。答えは明白なはずです。あなたの命は、あなた一人だけのものではありません。大切な人を悲しませないためにも、今日この瞬間に受診の予約を入れてほしい。それが、五年後の自分から今のあなたへの切実なメッセージだと思って受け止めてください。
再検査の通知を無視して五年後に私が経験した深い後悔